近年、日本で爆発的に人気なトレード手法でサイクル理論といったものが存在します。
・サイクル理論とは?
ダウ理論、エリオット波動、サイクル理論と波動理論の1つであり、チャートにおいて、天井、底をつける時間帯、タイミングを予想することができることいいます。
レイモンドA.メリマンが提唱しで相場は一定間隔で底、天井、底を1サイクルとして出現する測定可能な現象です。
日本でのサイクル理論の第一人者は松下誠氏が有名ですね。
主に4時間足、日足、週足レベルがあり、その中でも特に日足、週足レベルで確認できる長期的な相場分析に適した理論です。
4時間足(4Hサイクル):ローソク足60~80本程度で1サイクル
(60~80本÷1日6本=10~11日で1サイクル)
日足(メジャーサイクル):ローソク足35本~45本程度で1サイクル
(35~45本÷1日1本=1か月~1か月半で1サイクル)
週足(プライマリーサイクル):24~35本程度で1サイクル
(24~35本÷1か月4本=6か月~9か月で1サイクル)
ハーフプライマリーサイクル:日足でローソク足55~70本程で1サイクル
(使用しないトレーダーもいます。)
とローソク足の本数が決められています。
ローソク足70本目で底をつけることもあれば、75本目、78本目で底をつけることもあるというわけです。
メリマン氏はこの誤差のことをオーブと言い、±6分の1週のオーブが存在すると追記されています。
確率としては80%と言われており、必ず収まるわけではなく、4時間足であれば60本未満、80本以上の範囲と前後する確率が20%あります。
期間的に注目すると、4時間足であれば2週間目にサイクルの終わり、新しいサイクル突入になることになります。
・サイクル理論使い方・考え方
例えば4時間足サイクルでいうと、1サイクルローソク足60~80本程度で1サイクル、底→天井→が出現します。
つまり、前回のサイクルの底から60~80本で次の天井がくることが予想できます。
順張りトレードであれば、この60~80本の間が底利確の目安にすることができますし、まだトレンドが続くのであれば、売り増しのポイントともなります。
逆張りトレードであれば、60~80本の間に底がきますから、そこから逆張りを仕掛ける目安にもなるということです。
サイクルが始まると必ず上昇し、天井をつけると下降していきます。
狙い目としては、サイクルの最初の上昇か、もしくは天井を付けたのちの下降狙いとなります。
上昇トレンドにおいては、前半の上昇が長くなりますから、前者を狙い、下降トレンドにおいては、サイクル最初の上昇が終わり、天井を付けたのちの下降を狙っていきます。
・トランスレーション
サイクルの形としては2種類存在します。
1つ目はライトトランスレーションです。
サイクルの後半で天井をつける形です。
この形の場合、前半の伸びが長く、後半の反転が短くなるため、上昇トレンドによく見られる形になります。
つまり、前半は上昇トレンドの伸びとなり、後半は押しの波となるということです。
2つ目はレフトトランスレーションです。
ライトトランスレーションとは反対にサイクルの前半に天井がくる形で、前半の伸びが短く、後半の反転が長くなるため、下降トレンドによく見られます。
こちらは反対に、前半の伸びが戻りの波となり、後半が下降トレンドの伸びになるというわけです。
・リスクリワードとサイクル理論のコラボ手法が最強
サイクル理論でそろそろ、天井がくると予想できれば、チャートパターンに当てはめた時予想できる天井の位置がわかるかと思います。
つまり損切りはその予想した天井の上においておけばリスクが少なく天井を狙うことが可能になります!
天井をとらえることができれば、おのずとリスクリワード比のリスクを小さくでき、利確までのリワードを大きくとることができます。
チャートパターンで天井からレフトトランスレーションになれば、N波動を狙う、つまり2サイクル分のレフトトランスレーションまでリワードを伸ばすこと理想です。
レフトトランスレーションは後半が伸びている形になるので、押し戻りが前半の波動になるわけです。
このパターンを使えば、リスクリワード比は5以上は確保できることになりますので、勝率が30%でも資金が増えていくことになります。
・天井はどこになる?
天井を予想するには、そのサイクルがライトトランスレーションなのか、レフトトランスレーションなのかを知る必要があります。
特に上昇トレンドではライトトランスレーション=後半に天井がくる
下降トレンドであれば、レフトトランスレーション=前半に天井がくる(後半下降する)
ということになります。
4時間足で説明すると、4時間足のサイクルは60~80本なので、サイクルの真ん中である30~40本あたりに注目します。
その場合下記のようになります
ライトトランスレーション=30~40本の範囲よりも後に天井がくる
レフトトランスレーション=30~40本の範囲より前に天井がくる
これがわかれば後半下げるのか、上げていくのかの予想に役立てることができます。
・近年の相場でサイクル理論が通用しなかったと思う方が多い
サイクルトレーダーであれば2023年に入ってからサイクルが「うまく機能してないのでは?」と感じている人も多いのではないだろうか?
そんな中でも勝ち続けているトレーダーもいました。
その差は、サイクル理論における分析の仕方を少し柔軟にしたものでした。
その方法は呼ばれ方がいろいろありますが裏サイクルと言われるものです。
所説はありますがサイクル理論を使っているトレーダーは圧倒的に日本人が多いのですが海外の一部トレーダーでも愛用している方がおり裏サイクルはイギリスのサイクルトレーダーで数年前から人気になっていた様です。
・裏サイクルとは?
裏サイクルは至ってシンプルで通常のサイクル理論の「底→天井→底」の1サイクルカウントを「天井→底→天井」と1サイクルカウントします。
文字通りサイクルの裏をカウントします。
チャート画面を上下逆さまにしてみてください。
つまりこうゆうことです。(笑)
というのは冗談でございます。
説明しても分かりずらいので解説させて頂きます。
上記画像の赤ラインが裏サイクルになります。
天井→底→天井とサイクルをカウントするため必ず2つの通常のサイクル(以下、正サイクル)の天井と天井を跨ぐことになります。
裏サイクルは前回サイクルの天井を起点としてサイクルを形成する為、
今回の正サイクルのおおよその天井までの本数を導きだせます。
・実はTrading Viewでは逆の通貨ペアを見ることが出来る
例 : USD/JPY ⇆ JPY/USD
Trading Viewの通貨ペア入力で「JPY」と入力すると円に対する反対チャートが出てくる。
最近の相場で裏サイクルを利用したトレード例
ポンド円ですが上記の画像ではハープライマリーサイクルが入り、
第一メジャーサイクルは59本?
第二メジャーサイクルは35本
第三メジャーサイクルは57本?
第四メジャーサイクルは48本
(新第一メジャーサイクルの可能性もあり)
上記で形成させています。
では裏サイクルはどうか
Trading Viewで「JPY/GBP」を選択してみると逆さのチャートが出てきます。
こちらでカウントすると
第一メジャーサイクルが43本
第二メジャーサイクルは45本
第三メジャーサイクルは45本
第四メジャーサイクルは43本
上記になり、すべてメジャーサイクルの範囲内に入っていることが分かります。
しかもこれはメジャーサイクルだけでなくプライマリーサイクル、4Hサイクルも裏サイクルをカウントすると当てはまることがあります。
・裏サイクルから読み解く値動き予想
裏サイクルは正サイクルと同じ性質を持っているのでトランスレーションも同じになります。
その為、裏サイクルをカウントすることで正サイクルのトランスレーションの形もおおよその予想が出来ます。
また、裏サイクルの最大の武器は正サイクルにもあります「1つのサイクルで起点を割れた場合はそのサイクル内の高値を超えない。」という正サイクルの性質も兼ね備えていることです。
その為、裏サイクルで起点を割れた場合はそのサイクル内の高値(正サイクルの起点)は超えないということです。
上記から、サイクルの値動き予想をある程度予想することができる。
ただし、正サイクル同様にイレギュラーもあることも考慮しなければならない。
初めに説明したようにサイクル内に収まる確率は80%ということ考慮すると裏サイクルを組み合わせる手法や理論はとても有効的と考えられます。
是非、本記事を参考に一度見直しを頂けると幸いでございます。
最後にFX倉庫ではサイクル理論と裏サイクルに使えるインジケーターを取り扱っておりますので是非お試しくださいませ。